2002年10月20日(日)18:56

アイルランドは再度の国民投票でニース条約を承認

ダブリン(AP)

2回目の国民投票でアイルランドはニース条約を圧倒的多数で承認し、EUの東方拡大を現実のものとした。選挙管理委員会が日曜の晩ダブリンで発表したところによれば、投票中63%が同条約に賛成で37%が反対であった。国際社会はこの結果に対し安堵と喜びを示した。

選挙管理委員会によれば今回の投票率は49,5%にのぼった。42選挙区すべての集計の結果、906,292票が賛成、534,887票が反対であった。ニース条約の承認を強く訴えてきたバーティー・アハーン首相は、アイルランド国民は拡大に「明確な賛意」を示し、中東欧の加盟候補国に「心からの歓迎」を述べたと語った。

首都ダブリンの6つの選挙区ならびに1地方選挙区の開票結果は、土曜日に投票所が閉鎖された直後の段階ですでに賛成多数を示していた。この得票傾向は日曜日も続き、手作業の開票による最初のティッペラリー北部および南部の選挙区でも賛成が多数を占めた。

昨年6月の1回目の国民投票でアイルランド国民はニース条約に対して拒否の姿勢を示した。この時は反対が54%にのぼった。しかし投票率はわずか34%であった。再度の投票では投票率が高くなるほど賛成票が増えることが明らかになった。

2000年12月のニースEU首脳会議で激しい議論の末ようやく締結に至ったニース条約は、最大で12ヶ国の新規加盟に備えEU諸機構の改革を定めたもので、閣僚理事会における新たな票配分や欧州議会ならびに欧州委員会の構成などを盛り込んでいる。アイルランドを除く他のEU14ヶ国はすでに批准を終えている。

欧州委員会の勧告によれば、今年末までにポーランド、ハンガリー、チェコ、スロヴァキア、スロヴェニア、エストニア、ラトヴィア、リトアニア、マルタおよびキプロスとの加盟交渉が完了する予定である。これらの加盟候補国ではアイルランド国民の賛成は一様に歓迎をもって迎えられた。「喜べる状況だ」とポーランドのアレクサンデル・クファシニェフスキ大統領は、すでに日曜日朝の最初の開票傾向の発表時に発言した。

チェコのヴァーツラフ・ハヴェル大統領は、この国民投票は欧州の将来にとって根本的な重要性を有すると述べた。スロヴァキアではEU加盟担当のヤン・フィグル主任交渉官が、アイルランド国民は1989年に始まった欧州分断克服の条件を整えてくれたと述べた。ハンガリーのラースロ・コヴァーチ外相は、欧州の将来はアイルランド国民が握っていたが、彼らはその責任を立派に果たした、と語った。

ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相も国民投票の結果に歓迎を表明した。「アイルランドの人々は欧州に対する大きな責任を自覚していた」。この決定によって欧州連合拡大の道が開けた、と首相はベルリンで語った。

原題:Irland billigt im zweiten Anlauf den Vertrag von Nizza - Vierte Zusammenfassung




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